“佐野の踊りか、踊りの佐野か”と語り継がれる、泉州の夏のしらべ。
泉佐野市を代表する伝統の盆踊り「佐野くどき(佐野踊り)」は、300年以上の歴史を持ち、江戸時代には豪商・食野家の庭先で紀州藩主を迎えて踊られたとも伝わります。語り唄「くどき節」に合わせて、三味線と太鼓の音色にのせて優雅に舞うこの踊りは、市指定の無形文化財にも登録されています。
昭和期には仮装大会や徹夜踊りが開催され、市民の交流の場としても親しまれてきました。地域に息づくこの郷土芸能をはじめ、市内各地の盆踊りの会場で感じてみてください。
※泉佐野の盆踊りでは佐野くどきの他に「横山音頭」「江州音頭」「さんや踊り」などが踊られています。
🏮佐野くどきの魅力と豆知識
📍 踊りの特徴
やぐらを囲んで時計回りに輪になって踊る形式が基本です。
京都のお座敷舞を参考に作られたとされ、手先までしなやかに流れるような優雅な所作が魅力。見た目にも美しく、踊っていても心地よい伝統舞踊です。
🗣️ 掛け声(合いの手)
「イッヤー ソーイチャエー」「トコドッコイショー」など、リズムを引き立てる独特の掛け声が踊りの臨場感を高めます。
掛け声のやり取りも、踊りの一体感を生む大切な要素です。
🎵 音頭の内容(くどき節)
佐野くどきの音頭は、語りかけるような節回しが特徴。
題材は豪商・食野家の出世譚、俊徳丸の物語、紀伊国屋文左衛門など、泉佐野や日本各地の人物・伝説をもとにした物語唄です。
音頭の旋律は共通していても、語り手(くどき手)によって選ばれる題目や節が異なり、地域ごとに個性のある佐野くどきが存在します。
📖 現存題目と伝承状況
現在伝承されている題目は約15〜20題目とされ、昭和期には100題目以上が存在したともいわれています。多くは口伝で残され、地域の人々によって大切に守られています。
🧠 豆知識
佐野くどきのメロディーは、泉佐野市役所の電話保留音や市内チャイム音にも夏季限定で使用されており、地域の日常生活にもさりげなく溶け込んでいます。
🌟 観光で訪れた方へ|“見る”だけじゃない、“感じる”盆踊り体験
佐野くどきは、見て楽しむだけでなく、観光客も一緒に踊りの輪に加われる盆踊りです。
踊りのリズムはゆったりと優雅で、初心者でもすぐに馴染めるのが魅力のひとつ。
地元の方と一緒に汗をかき踊れば、そこはもう“旅人”ではなく“まちの一員”。
浴衣での参加はもちろんですが普段着でも◎ また、見学だけでも十分に楽しめます。夏の泉佐野を体で味わいたい方に、ぜひおすすめです。
<基本情報>
盆踊り・佐野くどき(佐野踊り)~泉佐野の誇る盆踊り文化~
📅開催時期:毎年7月末に開催される
🔗「郷土芸能の集い」は年により日程は異なります。
各町内会主催の盆踊りは8月14日・15日が主流ですが一部の地域で日程が異なる場合があります。
🎫参加費:無料
📍場所:泉佐野市内 各町内会エリア、および特設会場(「郷土芸能の集い」など)
🚉アクセス:各会場により異なります。
※駐車場は会場により異なり、混み合い駐車できない場合がありますので公共交通機関のご利用を推奨します。
※場所や時間などの詳細は、当ホームページ内の「イベント情報」または「お知らせ」でご確認ください。
主催:泉佐野市内各町内会
お問い合わせ 泉佐野市役所 まちの活性課
📞 072-469-3131
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🎥 佐野町場を知る映像資料
『夢伝説 泉州佐野 長者のまちの物語』(2009年制作)
かつて北前船の寄港地として栄えた佐野町場の歴史や、豪商・食野家の営み、そして地域に息づく「佐野くどき」の文化背景を描いた貴重な映像資料です。
※一部映像には現在失われた町並みや建物も含まれています。映像は当時の記録としてご覧ください。
出典:近畿経済産業局
「夢伝説 泉州佐野 長者のまちの物語」
(平成21年度 地方の元気再生事業)
👉【佐野くどき映像】※一部抜粋
👉【フル映像:夢物語 泉州佐野 長者のまちの物語】
🎧 現在、昭和録音版「佐野くどき」の音源の著作権確認中です。
許諾が得られ次第、音源を公開予定です。もうしばらくお待ちください。
📘 参考・協力
『泉佐野なんでも百科』(泉佐野市役所 1994年)
『佐野町場歴史散歩』(NPO法人泉州佐野にぎわい本舗)
佐野くどき保存会 永井氏(情報提供・取材協力)
<近隣のおすすめスポット>
🏠 関連施設
泉佐野ふるさと町屋館(旧新川家住宅)
佐野町場の歴史と暮らしを今に伝える町家建築「泉佐野ふるさと町屋館」は、佐野くどきの映像・記録展示などの拠点としても親しまれています。
建物は泉佐野市指定文化財であり、江戸後期の商家建築を今に残す貴重な資料館でもあります。
🔗 泉佐野ふるさと町屋館

🖼 関連アート
北前船壁画(佐野町場)
佐野町場には、地域の歴史を後世に伝えるために制作された日本遺産の北前船を描いた大型壁画があります。
北前船の寄港地として栄えた当時のにぎわいや、交易船の雄大な姿が描かれており、「佐野くどき」が生まれた町の記憶を今に伝えています。
🔗 北前船壁画(佐野町場)

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