日本遺産に認定された歴史あるスポットで秋を楽しむ
伝統的な農村景観をカラフルに彩る
秋の風物詩「日根荘大木の里 コスモス園」
泉佐野市の秋の風物詩として、年々来場者が増加している「日根荘大木の里 コスモス園」。
日本の故郷を想わせる山間の田園風景を背景に、ピンクや白、紫の可憐なコスモスが風に揺れる。
そんな秋の風情を10月上旬から約2週間限定で楽しめます。
日本遺産に認定された「日根荘大木の農村景観」
泉佐野市・大木地区は、かつて荘園として栄えた歴史を持ち、今もその面影を色濃く残す地域です。
棚田や集落、神社仏閣など、農村の暮らしと文化が一体となった景観が広がり、長い年月を経ても大切に守られてきました。
2013年には大阪府で初めて「国の重要文化的景観」に選定され、その後「旅引付と二枚の絵図が伝えるまち―中世日根 荘の風景―」として「日本遺産」にも認定。
農業と暮らしが一体となった景観が評価され、地域の歴史と文化を未来へ伝える場として注目されています。
こうした背景のもとで開催される「日根荘大木の里 コスモス園」は、コスモス畑と、歴史ある農村景観と調和する“特別な風景”を楽しめるのが魅力です。
コスモス園誕生のきっかけ
大木地区の豊かな自然と歴史が息づく環境を受け継いでいくために発足された「大木まちづくり協議会」。
発足当初からコスモス園に携わっている松下さんにお話を伺いました。
「昔は休耕地を活用していました。現在は『景観作物』としてコスモスを植え、地域の自然や景観を守りながら、人々に楽しんでもらえる場を作るために活動しています」。
地域一丸となった管理と取り組み
「日根荘大木の里 コスモス園」は、地域の人々の手間を惜しまぬ作業を重ねて美しい景観が生み出されています。
協議会をはじめ、町内会、消防団、民生委員、婦人会の皆さん総勢 40~50名くらいでお世話をしているそう。
コスモスが咲く時期から逆算した 7月に種をまき、8月は芽が育ちすぎないよう「まびき」を行い、同時に除草し畑を整えます。
9月になると、風でコスモスが倒れないようにネットを張る「あみかけ」の作業。また、コスモス畑の中を歩いて観賞できるように、通路も設けます。
「当初はネットをしていなかったので、風で倒れました。一度倒れると立ち上がるのに難儀します。
コスモスを守り、真っすぐ綺麗に咲いている姿を見てもらいたい」と、松下さんが話してくれました。
こうして丹精込めて育てられたコスモスは、10月の開園を迎える頃には美しく咲き誇り、訪れる人々を迎える準備が整います。
当日の運営も、地域の人々が中心となって支えています。


年々増える来場者と広がるリピーターの輪
地域の丹念な取り組みが実を結び、訪れる人の数が年々増加しているコスモス園。昨年は延べ約5,000人が訪れ、遠方からわざわざ足を運ぶ人も少なくありません。
「10年前と比べたら来場者は増えています。そして、毎年楽しみに来てくれるリピーターの方も多いですよ」と松下さん。
来園された方からは、畑が丁寧に整備されていて、1本1本がとても綺麗に咲いていると絶賛されています。
コスモス園の見どころ
「撮影されるのであれば、朝露でコスモスが美しい朝の来園がおすすめですよ」と松下さん。
澄んだ空気の中で光を受けてきらめく花々は、写真映え間違いなし。散策を楽しむ人々にとっても忘れられない景色となります。
地元農産物の販売なども行われ、花を眺めるだけでなく、地元の方との交流も心あたたまるひとときに。
伝統的な農村景観とコスモスを愛でて、秋の訪れを感じてみてはいかが?